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【生成AI時代の採用① 気になるNEWS】ロート製薬が「エントリーシート(ES)」を廃止した真意とは?

日々、変化の激しい採用市場において「自社に合う人材をどう見極めるか」は、企業の未来を左右する極めて重要なテーマです。

今回の【気になるNEWS】では、AERA DIGITAL(2026年1月30日)に掲載されていた、「ロート製薬がエントリーシート廃止に踏み切る」という思い切った決断に関する記事についてお伝えします。そして、そこから私たち中小企業が学ぶべき「採用の原点」を探ります。

今回のロート製薬の決断は、単なる効率化の逆行ではなく、「AIでは代替できない人間性の見極め」に舵を切ったものです。その背景を3つのポイントで解説します。

(1) なぜ、あえて「書面選考」を捨てたのか?

就職活動の第1関門ともいえるエントリーシート(ES)。ロート製薬が2027年卒の新卒採用から、このESによる書類選考を「廃止」すると発表し、業界に衝撃が走っています。

その決断の背景にあるのは、生成AIの普及による「回答の均質化」への強い危機感です。現在、学生の約7割が就活でAIを利用しており、特に「ESの作成・推敲」に活用されています。AIを使えば、限られた情報からでも「一見整った、それらしい回答」が容易に作れてしまうため、会社への過度な共感やテンプレート通りのフレーズが増え、学生一人ひとりの「本質」を文章だけで判断することが困難になったといいます。

(2) 「異変」に気づけたのは、独自のこだわりがあったから

ロート製薬がこのAIによる変化にいち早く気づけたのは、もともと同社が「マッチング重視」の採用を徹底し、ESに独自のアレンジを加えていたからでした。

同社では単なる「ガクチカ」を問うのではなく、「社会の中で感じる違和感」や「答えのない問いにぶつかった時の葛藤」など、書き手の価値観が色濃くにじみ出るはずの深い設問を用意していました。
しかし、AIの普及により、こうした高度な問いに対しても「ロート製薬の理念をなぞっただけの、具体性のない優等生な回答」が目立つようになりました。「入社3年後の定着率9割以上」という高い水準を支えてきたのは、こうした書面を通じた深い相互理解でしたが、AIの登場によってその精度が揺らいでしまったのです。

(3) 新制度「Entry Meet(エントリーミート)」の挑戦

ESを廃止する代わりに導入されたのが、「15分間の直接対話」からスタートする選考です。

これは、書類による足切りをせず、希望する学生全員(予約枠内)とまずは採用担当者が対面で話すというもの。「効率化」を優先するのではなく、あえて初期段階で対話の場を作ることで、文章では測れない「なぜそう考えたのか?」という思考のプロセスを直接深掘りすることを目指しています。

このニュースは、リソースが限られている中小企業にこそ、重要なヒントを与えてくれています。

① 「効率化」の罠に陥っていないか?

AIを使えば、企業側も学生側も「効率的」に選考を進められます。しかし、採用の目的は「効率よくさばくこと」ではなく、「自社の社風に合う、長く活躍してくれる仲間を見つけること」です。あえて「手間」をかける部分を作ることで、結果的に「入社後のミスマッチ」という最大のコストを削減できます。

② 自社の「マッチングの肝」を言語化する

ロート製薬が独自の設問を持っていたように、貴社が「これだけは譲れない」という価値観は何でしょうか?
「正解」を答えさせるのではなく、「その人の思考プロセス」が見える問いかけを用意することが、AI時代に見極めの精度を落とさないコツです。

③ 「納得感」が内定承諾率を左右する

知名度で勝負しにくい中小企業にとって、選考の初期段階で「直接話せた」という体験は、学生に「この会社は自分をしっかり見てくれている」という安心感を与えます。この納得感こそが、大手企業に勝る強力な武器になります。

ロート製薬の事例は、「選考のデジタル化・AI化」が進む今だからこそ、「アナログな対話」の価値が相対的に高まっていることを示しています。

「ESを読み込む時間が、実はAIが書いた文章の添削になっていないか?」
もしそう感じたら、一歩踏み込んで「短時間でも話してみる」という、泥臭くも温かいスタイルにシフトする好機かもしれません。

もしくは、エントリーシートの項目に独自のアレンジを加えることから始めてもいいでしょう。

では、具体的にどんな質問ならAIに負けないのか?次回の【実践編】で具体例を公開します!

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