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【気になるNEWS】初任給を引き上げる企業増加で、30万円以上の企業も。そんな背景の中、学生が本当に求める企業の魅力とは?

最近、新卒採用の初任給が上がっているという話題が増えています。日経ビジネス(2025年3月31日)の記事によると、少数だが初任給30万円以上の企業もあります。しかし、学生の求めるのは給与よりも安定が多いとのことです。
今回は、この記事についてまとめ、初任給の高騰の背景と現状について解説します。

近年、新卒採用市場における初任給の額は、企業が優秀な人材を惹きつけるための重要な要素として、その重要性を増しています。背景には、少子高齢化による労働人口の減少や、売り手市場の継続といった要因が挙げられます。企業は、他社との差別化を図り、優秀な人材を確保するために、初任給の引き上げを積極的に行っています。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、2021年大学卒の平均初任給は22万5400円だったのに対し、24年卒は24万8300円と、わずか3年で2万2900円も増えています。
特に大手企業では、初任給30万円を超える事例も出てきているようで、高額な初任給が話題となっています。

しかし、高額な初任給を提示できる企業は、まだ一部に限られているようです。就職情報サイト「マイナビ」の掲載企業では、「初任給30万円以上」企業はわずか5%とのこと。多くの企業は、20万円から25万円未満の範囲で初任給を設定しています。

マイナビ「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(8月)」によると、「最低限ほしいと思う初任給の額」は「20万~21万円未満」が最も多く18.2%。前年比-6.2ポイントで、減少はしているものの、この部分が多いことから、必ずしも高額な初任給を求めているわけではないと言えるでしょう。

学生が企業選びで重視するポイントは、給与だけでなく、安定性やキャリアパス、福利厚生など多岐にわたります。特に、長期的なキャリア形成を考え、安心して働ける環境を求める傾向が強まっています。

企業が新卒採用を成功させるためには、初任給の額だけでなく、企業の魅力を多角的に伝えることが重要です。明確なキャリアパスや成長機会の提示、充実した研修制度やメンター制度、ワークライフバランスを重視した働き方の実現など、学生が求める「安心感」を提供することが求められるでしょう。また、奨学金返還支援制度の導入など、学生の経済的な負担を軽減する取り組みも有効です。

採用活動においては、初任給の額面だけでなく、基本給や手当の内訳、昇給制度や世代別平均年収など、長期的なキャリアプランを提示することが重要です。
マイナビ「2025年卒大学生就職意識調査」の学生の企業選びのポイントを見ても、「給与の良い会社」(19年卒15.4%、25年卒23.6%)も増加はしていますが、一番多いのは「安定している会社」(19年卒33.0%、25年卒49.9%)です。安心して働けることのほうを重視していることがわかります。
企業の安定性や将来性を客観的なデータで示し、学生の質問や不安に真摯に答える姿勢も求められます。企業のビジョンや価値観への共感を生む情報発信や、社員のリアルな声を伝える情報発信も効果的です。

今後の新卒採用においては、初任給の額だけでなく、学生が求める「安心感」を提供することが、企業の競争力を高める鍵となります。企業は、長期的な視点を持ち、学生のニーズに合わせた魅力的な職場環境づくりと情報発信に努めることが重要でしょう。

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