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【タレントプール採用① 気になるNEWS】内定辞退者は「裏切り者」ではない。三井住友海上が実践する「タレントプール採用」の衝撃

採用市場の激化が進む中、これまで「不採用」や「辞退」で終わっていた縁を、未来の資産に変える動きが加速しています。
今回の【気になるNEWS】では、AERA DIGITAL(2026年1月19日)に掲載されていた三井住友海上の事例を中心に、今注目されている「タレントプール採用」の最前線をお届けします。

かつて採用の世界では、内定を辞退した候補者は「縁がなかった人」「裏切り者」として、データが破棄されることも少なくありませんでした。しかし、深刻な人手不足が続く現代、その常識が180度変わりつつあります。

AERA DIGITALの記事によると、損害保険大手の三井住友海上では、選考の途中で辞退した人や、内定を辞退した人を「過去にご縁のあった貴重な財産」と位置づけ、その情報を一元管理する「タレントプール」を構築しています。「裏切り者」ではなく「優秀な採用候補」なのです。

〇登録者数:運用開始からわずか2年で8,000人を突破。
〇管理内容:履歴書だけでなく、当時の面接での受け答えや評価も詳細に記録。
〇メリット:ポジションに空きが出た際、ゼロから募集をかけるよりも「自社への理解があり、一度評価をクリアした人材」に直接アプローチできるため、採用コストとミスマッチを劇的に抑えられます。

記事では、43歳の元官僚の男性の事例が紹介されています。彼は一度、同社から内定を得るも、衆議院選挙への出馬を決意し辞退しました。しかし、落選後に就職活動を再開したタイミングで、同社から「近況を教えてほしい」と連絡が入ります。
「通常であれば3〜4ステップかかる選考が、過去の評価があったため最終面接1回で終了し、入社に至った」とのこと。
このように、候補者の「人生のタイミング」を逃さず、過去の評価を活用することで、優秀な人材をスピーディーに確保することが可能になります。

多くの企業が直面しているのは、「母集団形成の限界」です。年間1万件の応募があっても、特定のポジションに合致する人材はごくわずか。だからこそ、一度「合格ライン」に達した人材を逃さない仕組みが重要になります。

<継続的な接点を持つための工夫>
三井住友海上では、しつこすぎない距離感で、辞退者との関係を維持しています。
〇お祝いメール:4月に新卒辞退者へ「新しい環境での門出をおめでとう」と送付(開封率9割)。
〇メルマガ配信:月2回程度、社内の雰囲気や人事制度を紹介(開封率6割)。
〇オウンドメディア:社員インタビューなどを通じ、常に「自社を思い出してもらう」仕組み作り。

こうした動きは、システムによる「採用の科学」にも支えられています。記事内では、4,500社以上が導入する「タレントパレット」などのシステムについても触れられています。

〇活躍する社員のデータ化:活躍している社員の特性を分析し、似たタイプをプールの中から抽出する。
〇再現性の向上:面接官の「なんとなく良さそう」という主観を排除し、データに基づいたマッチングを行う。

「雰囲気が良い」という曖昧な評価を可視化し、どのルートから優秀な人材が採用できたかを分析することで、“採用活動に再現性”を持たせることが、これからの採用担当者に求められるスキルです。

貴社では、過去に辞退した優秀な候補者のデータをどう扱っていますか?
「今はタイミングが合わなかっただけの人」を、3年後のエース候補として繋ぎ止めておく準備はできているでしょうか。
タレントプール採用は、大企業だけの手法ではありません。まずは、「辞退された後のフォローメールを一通変える」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

次回は、【実践編】として中小企業でもすぐにできる候補者フォローの具体策を解説します。

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