
【気になるNEWS】激化する採用環境では、人財確保の重要性が高まり「質より量」へシフト。「価値観フィットで」採用難を突破する!
採用市場のトレンドは常に変化しており、その動向を把握することが採用成功への第一歩となります。
今回は、株式会社キャリタスが実施した「2026年卒の新卒採用に関する企業調査-採用方針調査(2025年2月調査)」から見えてきた「採用活動のスタンス」と「選考で重視する点」について、新卒採用を行う中小企業の皆様に役立つ情報をお届けします。
採用活動のスタンス:質より量を重視する傾向が加速
近年、採用難を背景に、多くの企業が採用活動のスタンスを変化させています。特に中小企業においては、人財確保の重要性が高まっている現状があります。
調査結果によると、「採用予定人数の確保よりも学生の質を優先」と回答した企業は65.3%で、4年前と比較して10ポイント以上減少しました。これに対し、「学生の質よりも、採用予定人数の確保を優先」と回答した企業は34.7%と増加。前年の調査で初めて3割台に乗ったものの、今年はさらに増加する結果となりました。このデータから、いかに「質より量」の採用スタンスが一般化しているかがうかがえます。
中小企業においても、まずは必要な人員を確保することに重点を置き、その上で入社後の育成や定着に力を入れるといった戦略が求められていると言えるでしょう。

選考で重視する点:変化する評価基準
採用選考において、企業が学生のどのような点を重視しているのかは、内定辞退や早期離職を防ぐ上で重要な指標となります。今回の調査では、以下の4つの指標が注目されました。
① 志望度・入社意欲
「とても重視」される項目で最も多かったのは「志望度・入社意欲」で53.6%でした。これは、内定辞退や早期離職の防止を目的としている企業が多いことを示唆しています。しかし、2年前と比較すると6.6ポイント減少しており、厳しい採用環境の中で、多少基準を下げざるを得ない企業が増えている可能性も考えられます。
② 企業理解度
「企業理解度」についても、「とても重視」の割合がやや減少傾向にあります。これも「志望度・入社意欲」と同様に、採用のハードルを下げる企業側の動きが背景にあると推測されます。
③ 価値観・カルチャーフィット
「価値観・カルチャーフィット」の重視度には、大きな変化は見られませんでした。これは、企業文化への適応が社員の定着や活躍に直結するため、依然として重要な選考基準であり続けていることを示しています。中小企業においては、特に企業規模が小さい分、個人と組織のフィット感がより一層重要になる傾向があるでしょう。
④ 学生時代の経験・実績
「学生時代の経験・実績」の重視度も、特に大きな変化はありませんでした。学生時代に培った経験や実績は、入社後の業務におけるポテンシャルや問題解決能力を測る上で、引き続き有効な指標であると認識されています。

まとめ
採用環境が厳しさを増す中で、中小企業の新卒採用においても「質より量」のスタンスが重要になりつつあります。また、選考においては「志望度・入社意欲」や「企業理解度」の重視度がやや低下しているものの、「価値観・カルチャーフィット」や「学生時代の経験・実績」は引き続き重要な評価ポイントとなっています。
これらのトレンドを踏まえ、貴社の採用戦略を見直し、変化する市場に対応した効果的な採用活動を進めていきましょう。