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【気になるNEWS】2年で退職率が10.3%→6.5%に改善! QBハウスが全社員向けアプリで「大企業にいる安心感」を伝え、人手不足に挑む

深刻な人手不足への対応は、採用担当者にとって緊急の課題です。今回は、その課題に挑む企業の具体的な取り組みとして、ITmedia ビジネスオンライン(2025年8月6日)の理美容大手QBハウスの新しい取り組みに関する記事を要約し、ご紹介します。

ITmedia ビジネスオンラインの記事によると、「1400円カット」で知られる理美容大手QBハウス(国内外700店舗以上、社員数2800人超)は、「人への投資」を掲げ、従業員の定着率向上に注力しています。その結果、退職率は2023年の10.3%から2025年には6.5%へと大幅に改善しました。

QBハウスが抱えていた主な課題と、その解決策として導入した施策は以下の通りです。

QBハウスの店舗は4〜5人の少人数制で運営されているため、店舗を超えたコミュニケーションが生まれにくいという課題がありました。

「大企業に属している」意識の醸成不足
従業員約3000人の大企業でありながら、日常的に接する人数が少ないため、持株会や手厚い社会保障、福利厚生など、大企業ならではの魅力が社員に伝わりづらい。

情報格差と孤立感
他店舗の様子や会社全体の動きが見えにくく、従業員の帰属意識の低下や孤立感を生む一因となっていました。

これまでの情報発信手段であった紙の社内報では、スピーディーな情報発信や、忙しい店舗スタッフへの浸透に限界がありました。

これらの課題を解決するため、同社は雇用形態に関わらず全従業員が利用できる社内SNSのようなアプリ「Qプラ」の提供を開始しました。

【Qプラの主な機能と効果】
情報格差の解消と知識共有
Web化した社内報に加え、新店情報やキャンペーン、カットや接客のコツなどのお役立ち情報を発信。
文字で伝えにくい技術や接客ノウハウを動画で学べるEラーニング機能を装備。

相互コミュニケーションの促進
社員インタビューを通じて他店舗スタッフの「生の声」を紹介し、相互理解を促進。
コンテンツにリアクションスタンプやコメントが可能。社長メッセージに多くのコメントがつくなど、現場の声を吸い上げ、「店舗メンバー以外にも頼れる人がいる」という安心感の醸成と定着に繋がることを期待。

帰属意識の向上
忙しい店舗スタッフが自ら情報を探しに行かなくても自然と情報に触れられる仕組みを構築。「大企業にいる安心感」を醸成。

QBハウスは、理美容業界は「人ありき」のサービスであるため、「人への投資」は惜しまない方針です。採用・育成面では、社内カットスクール「ロジスカット」で経験の浅い人材のスタイリストデビューを支援。定着面では給与・評価制度の改善にも取り組んでいます。

今後はQプラにゲーミフィケーション要素を加えるなど利用率向上を図り、従業員一人ひとりのエネルギーを高め、さらなる定着率の向上を目指すとしています。

多店舗展開や多拠点を持つ企業で、現場が少人数制の場合、「大企業としての魅力の伝達」と「従業員間の横のつながり」が定着率の鍵を握ります。
QBハウスのように、デジタルツールを活用して「会社全体の動きの可視化」と「従業員同士の相互コミュニケーション」を促す施策は、特に新卒採用後の早期定着に向けて非常に参考になる事例と言えるでしょう。

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