【気になるNEWS】還暦管理職が人材難を救う。シニア層の“半・現役”扱いをやめ、若手の積極登用と両立して強い組織をつくるための秘訣
今回の【気になるNEWS】では、2026年6月の日本経済新聞に掲載された『「還暦」管理職が人材難救う』という記事を取り上げます。
深刻な人手不足が続く中、企業にとって「今いる人材にいかに活躍してもらうか」は、新卒採用と並ぶほど重要な経営課題です。この記事には、シニア層の戦力化と若手登用のバランスを取りながら強い組織を作ろうとする企業のリアルな事実が書かれていました。皆様の採用・組織づくりのヒントになるよう、解説していきます。
■ 60歳を超えても最前線で活躍する「還暦管理職」の広がり
記事によると、70歳現役社会が標榜されるなか、一定年齢での一律のポストオフを行わず、個々の意欲や能力に応じて60歳を超えても管理職として活躍するシニアが増加しているとのことです。
たとえば、リコーでは2022年4月にジョブ型雇用を導入し、翌23年4月には役職定年を廃止するなど、条件が合致すれば年齢を問わず60歳以降も同様に働けるように制度を改定しました。
明治安田生命保険では、2019年に定年を60歳から65歳に引き上げました。現在60歳以上の社員約1500人のうち約150人が管理職を務め、第一線で活躍しています。
また大東建託でも、60歳で新設ポストに就き、新たなビジネスモデルの模索に挑む事例が紹介されています。いずれも、過去の経験だけでなく、現在の意欲や実力に基づき、重要なポジションを任せているのが特徴です。
■ 「半・現役」扱いがシニアの意欲を奪っている?
一方で、シニアの活用がはかどっていない現状も指摘されています。パーソル総合研究所の「企業の60代社員の活用施策に関する調査(2025年)」によると、60代以上社員に占めるライン管理職比率は「1人もいない」が23.0%、「1%程度」が25.7%と、およそ半数を占めています。
専門家は、多くの企業が60代前半社員に対して「半・現役」のような扱いをしており、それが逆にシニアの意欲を奪う悪循環を生んでいると分析しています。解決の鍵は、個人の実力や経験、意欲に応じて個別に役割を検討し、処遇を設定することだと記されています。

■ 組織の「新陳代謝」と若手登用を促すための工夫
管理職のポストには限りがあるため、シニアの重用は若手の登用や成長を阻害してしまう懸念もあります。そこで、先進企業は独自のルールで組織のバランスを保っています。
●島津製作所:定年を65歳に延長する一方で「役職任期制」を導入。同じポジションに6年を超えて就けないようにし、組織の新陳代謝を促しています。
●リコー:30代初級管理職(課長クラス)比率をKPI(重要業績評価指標)に設定し、若手の積極登用を推進しています。
●大東建託:今年4月に定年を65歳に引き上げ、60歳以上の役職継続基準を新設。直近2回分の評価が「平均点以上」でないと自動的に降格するという、60歳未満よりも厳しい基準を設定し、結果が伴わない場合は後進に道を譲ってもらう仕組みです。
■ 世代を超えて活躍できる会社を目指して
この記事に書かれている事実から見えてくるのは、単に定年を延長するだけでなく、「意欲と実力があれば年齢に関係なく活躍できる環境」と「若手がどんどん挑戦し、育っていく環境」を両立させることの重要性です。シニア社員の豊かな経験・潜在能力と、新卒から育つ若手社員の新しいエネルギー。この二つが掛け合わさることで、会社はさらに活気づき、10年後、20年後も輝き続ける強い組織になります!
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